「国民の食糧と健康を守る運動富山県連絡会」は5日、富山市で日本の食と農業についての講演会を開きました。
元農林水産大臣で弁護士の山田正彦氏が、「種子法廃止とこれからの農業について」と題して講演。山田氏は、日本は種子法で国が主要穀物の種子を管理してきたため、コメ、麦、大豆の種子を安定供給できたと説明しました。TPP(環太平洋連携協定)に関連して今年、日本の種子法が廃止(来年3月施行)されたため、今後主要穀物の種子が民間企業でつくられることになると指摘。遺伝子組み換え農作物の種子を販売するモンサントやデュポンパイオニアなどの多国籍農薬企業を後ろ盾にした民間企業が種子を提供することになると、日本の農家が特許料を支払わなければならなくなり、いずれ日本でも遺伝子組み換えのコメを作付けすることになる危険性を訴えました。
日本の食料と農業をどう守るかについて山田氏は、農家収入の6割から9割を国の助成金でまかなっているヨーロッパ各国に習い、日本でもヨーロッパ型の所得補償を導入すべきだと力説。学習しながら、地方議会、首長に意見を出し、公共で種子を守る法律をつくるよう求める運動に取り組むよう呼びかけました。
参加者からは、さまざまな質問や意見が出されました。「種子法廃止が消費者にどう影響するか」の問いに山田氏は、コメが数種類に限られ、交配種や遺伝子組み換えばかりになると述べました。