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入善町:3月議会報告-アベノミクスとは格差を広げる政策か-町内企業では給与が減少 ほか

カテゴリー: 党・議員(団)ニュース

アベノミクスとは格差を広げる政策か-町内企業では給与が減少 税務課長答弁「アベノミクス効果は期待できず。消費税増税1人5万円、地域経済への影響が心配」

 米澤町長は、3月4日の新年度予算説明で、個人町民税は給与所得の減少で、2.8%の減収を見込んでいることを明らかにしました。

 日本共産党の松田俊弘議員は「町内企業での給与所得の減少要因はなにか。アベノミクスで、輸出大企業は大きな利益を上げている。一方で中小企業は、円安による資材や燃料費の高騰で、厳しい経営を強いられていると聞く。トヨタの利益は過去最高とのことだが、町内下請け企業の下請け単価は改善されるのか」と質しました。

 杉田税務課長は「町内十数社に調査を行ったが、ほとんどの企業で給与が減少傾向にある。アベノミクス効果を地方で実感するには至っていない」と答えました。

 松田議員は「政府は、昨年に続き今年も年金給付額を引き下げる。また、米の減反政策の見直しで、農家への減反補助金を当面半分にするとしている。こうしたことで町民全体の収入はどれだけ減少するのか。また、アベノミクスによる物価上昇率1.3%で、町民の負担増は3億5千万円と見込まれるが、消費税3%増による負担増はどれだけか。これらが住民のくらしと地域経済を更に困難にし、格差を一層拡大すると懸念するがどうか」と質しました。

 税務課長は「年金の2.5%削減により、町の全受給者で約3億2千万円削減される。減反補助金の半減では、町の農家は年間約2億円収入が減る。さらに、消費税引き上げで国民一人当り年間5万円の負担増が見込まれ、町民全体で約13億円の負担増となる。増税などで消費が冷え込み、地域経済に影響を与えないか危惧する」と答えました。

保育所の入所制限なくすためにも臨時職員の待遇改善を

 子どもが生まれて育児休業に入ったら、それまで預けていた上の子の入所を断られる事態が未だに続いています。

 その根本には、正職の保育士の数を減らし臨時保育士に頼ってきたこと、またその臨時保育士の待遇が低いことにあります。3月現在で、臨時保育士が39人、免許を持たない補助員は20人になります。

 松田議員は「町民は、入所制限の解消を強く望んでいる。改善されないのは、臨時保育士の待遇が悪く、保育士の確保が困難になっているからだ。10年間努めた保育士で、正職と臨時とで年収の差はどれだけになるか」と質しました。

 大角総務課長は「10年勤務後の年収の差は、約130万円になる」と答弁。

 松田議員は「子どもの命を預かる保育士にこれほどの差が生じることは、町が格差を奨励しているようなものだ。町は、若者の定住促進をうたっているが、町の保育行政はそれに逆行している。臨時保育士の抜本的な待遇改善を図るよう」求めました。

 小堀健康福祉課長は「4月から38人の臨時保育士を雇用し、配置基準を満たす体制ができる。途中入所にも対応できるよう臨時保育士の確保に努める。保育所の入所判定は、政令で定める基準に従い行っている」と答えました。

桃李小学童保育-近くに児童館を 今の施設では限界

 松田議員は「桃李小学校の学童保育へ通う児童は現在27人だが、元気な子が多く、指導員のみなさんは大変な苦労をされている。新年度の希望者は33人程度見込まれているが、今の施設では限界を超える人数と考える。住民からも学童保育の改善、特に新たなスペース確保を求める要望が出されている。また、制度改正で再来年度から対象学年は、これまでのおおむね3年生までが6年生までに広げられる。住民の声に応えるためにも、小学校近くで児童館を建設することを真剣に考えるべきだ」と質しました。

 岩田教育委員会事務局長は「国の示す学童保育の標準的な1人当たりの面積は、1.65平方メートルであり、桃李学童保育でも十分にスペースが確保されていると考える。平成27年度から学童保育の利用対象者が6年生までに拡充されるが、今後は、保護者へのアンケートや各施設の状況、近隣自治体の取組み状況などを踏まえ、4年~6年生の受入れについて、各運営委員会と協議を進めていきたい。児童館の建設は、施設の維持管理や運営方法などを考慮すると、非常に困難であり、既存の公共施設の有効活用を図っていきたい」と答えました。

「集団的自衛権」の名で参戦 世界中のどこへでも~勝手に憲法解釈を変えてよいと一体だれが許したか

 一般質問の冒頭で松田俊弘議員は、安倍首相が集団的自衛権の行使を認めようとしていることに対し、次のように述べました。

 集団的自衛権は、協定を結んだ国が戦争を始めたら、一緒になって戦うというもの。アメリカと協定を結べば、地球の裏側でアメリカと共に日本も戦争することになる。

 安全保障のためと言うが、集団的自衛権と集団安全保障体制は全く違う。集団安全保障体制は、加盟国が互いに戦争をしないようにし、紛争が起きれば加盟国で解決していくもので、すでに東南アジアなどで広がっている。

 安倍首相は、自分が「最高責任者だ」として憲法解釈を変えるとしているが、憲法改正は法改正とは次元が異なる。

 憲法改正には、国会議員総数の3分の2以上と国民の過半数の賛成が必要だ。それは、時の政権が自分たちの都合のいいように、憲法を変えてはならないという理念からだ。

 安倍首相の解釈改憲は、まさに数の横暴であり、このような勝手なことをやらせないのが憲法の理念である。

 日本が海外で戦争できる国にさせてはならない。むしろ、日本国憲法の平和の理念を生かし、世界の戦争や紛争の解決の先頭に立つべきである。

ダム排砂-環境や河川の安全にきめ細かな排砂を

 昨年のダム排砂直後に入善沿岸に設置された複数の定置網が沈み、破れるという被害が発生しました。

 2月に開かれた黒部川土砂管理協議会で、海面漁業者から新たな要望が出されました。
 その内容は「豪雨時の排砂等で、魚類や藻場への影響と漁具類等への被害を強く懸念する。ダム湖の堆積形状の変化などに配慮し、排砂方法等について抜本的な改善策の検討を求める」というもの。

 松田議員は「宇奈月ダムから下流約10㎞間で川底が低下し、愛本床止工が壊れた。1年間溜めた大量の土砂と有機物を、一気に下流に流す排砂が、いかに人為的で環境や河川の安全に危険であるか述べてきた。きめ細かな排砂で自然流下の回数と時間を増やすべきだ」と質しました。

 米澤町長は「自然流下の時間等は、土砂排出の目標量を達成した段階で終了する今の方法が望ましいのではないか。今後も引き続き、いろいろなデータを基に検証や研究を行い、議論を重ね、より良い方法を探っていくことが重要である」と答えました。

下水道使用料 なぜ10%もの引き上げなのか-建設下水道課長「議会とも十分協議する」

 町の下水道会計は、2年後から毎年2億円以上赤字になることが明らかされています。

 松田議員は「赤字の理由は、当局のずさんな計画にあると言える。町は、国の財政支援を受けるために、使用料を10%引上げるとしている。当局の説明では、処理に使う水1立方メートルあたりの使用料単価が、150円を超えることが国の支援の条件とのことだ。現在の使用料単価は144円であり、4%の引上げで済むはずだ。なぜ10%の引上げが必要なのか。今後、使用料単価がどのように推移するとみているのか、数値で根拠を示すべきだ」と質しました。

 窪野建設下水道課長は「今後の人口減少等も踏まえ検討した結果、10%の引き上げで、安定的に国の制度の活用が可能な水準になることが明らかになった。使用料を改定しない場合、使用料単価は概ね140円台前半で推移していくと見込まれる。引き上げ幅10%は、あくまでも試算上の設定であり、これを参考に新年度中に引き上げ幅等について、議会とも十分協議を重ねながら進めていく」と答えました。

「黒部川・富山湾を考える会」が総会-松田議員が代表委員、井田氏が事務局員に

 3月16日に「考える会」が、黒部市の吉田科学館で総会を開き、代表委員に松田俊弘議員を、事務局委員に井田義孝氏を選出しました。

 同会は、出し平ダムの初めての排砂から5年後の1996年に設立されました。

 総会では、これまで「考える会」が排砂の問題で議論してきたことや、扇状地の自然環境を守るために取り組んできたことなどについて、勉強会を行いました。

関電の黒い水排出に国交省が注意

 3月19日、関西電力が愛本発電所の点検・修理の際、愛本堰堤直下の配水管から黒い水を数十分間か移出しました。

 翌日の全員協議会で松田議員は、町として調査するよう求めました。

 後に町担当者から「国交省が、関電に対し事前通告を求めた」との報告がありました。

くらしにしわ寄せの予算には反対

 松田俊弘議員の一般会計予算に対する討論要旨は以下の通りです。

 消費税増税により町民全体の負担増は13億円になる。政府は、増税分は全て社会保障に回すとしてきたが、町民への社会保障の予算は、13億円分改善されていない。逆に年金は全体で3億2千万円も減らされる。

 政府による減反補助金の半減で、町の農家全体で2億円も収入が減る。農水省は、飼料米の生産で補えるとしているが、町では飼料米の生産を拡大できる状況になく、机上の論理だ。新たな多機能支払制度を町内全域で取り組んでも、1億1千万円の収入にしかならない。しかも、それが全て農家に行くわけではなく、町の農家は確実に収入が減る。

 町の予算には、そのことが色濃く反映されている。これは、町長の責任ではないが、町農業の衰退を招く予算には、賛成するわけにはいかない。

 保育所の入所制限は、臨時保育士の待遇の悪さが起因している。一定の待遇改善は図られるが、10年勤務しても年収が220万円台ではあまりにも低すぎる。

 この10年で職員数を71人、21%も減らしてきたことで職員に渦重な負担がかかっている。重大なミスも招き、住民サービス低下にもつながっており、早期に改善を図るべきべきだ。

 

【さわすぎ】NHKの朝ドラごちそうさん」が高い視聴率を得て終了した。戦争の悲惨さを庶民の目線で描いたところが共感を呼んだようだ▼朝ドラの人気とは裏腹に、籾井勝人NHK会長への批判は強い。就任会見で会長は、旧日本軍の従軍慰安婦について「戦争をしているどこの国にもあった」と発言したからだ▼安倍首相は、NHKの経営委員会に安倍カラーの強い4人を送り込み、その委員会で籾井氏が会長に任命された。会長の言動は、安倍首相や靖国派と呼ばれる人たちと事を一にしていると言えよう▼靖国派の政治家たちは、平和主義、民主主義を掲げた今の憲法が気に入らないらしい。戦前、あるいは明治の体制を理想としている。だから日本の侵略戦争を正当化しようとし、慰安婦の問題でも軍の関与を否定する▼籾井会長は『政府が右と言うものを左とは言えない』とも述べた。秘密保護法の問題で、民放が一定その危険性を指摘していたが、NHKは政府の言うがままを報道をしていた。集団的自衛権についても同様である▼先の大戦でNHKは戦争の遂行に協力した。その反省のもとにNHKは再出発したはずだ。政府からの独立、公権力からの自立はジャーナリズムの基本中の基本ではないか。

 

「入善民報」第176号 2014年4月10日(→こちらをクリックするとpdfで紙面が見られます)

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