砺波市の新年度予算案、一般会計は過去最大の213億円。小中学校の耐震改修が完了するなど喜ばしいことです。
2月25日、市議会議案説明会で市長は、新年度予算の目玉とする「三世代同居推進事業」(5年間続ける予定)について「三世代同居は大きなメリットがある反面それなりの苦労もあるという話をきき、砺波らしい地域の特色を生かした施策をすすめていきたい。三世代同居でなければダメということではなく、そうでない人は既存または拡充する福祉で対応し、三世代同居についてプラスアルファで対応したいとの思いだ」と語りました。
75歳以上の高齢者の節目の年に市内宿泊施設の利用券をおくる、在宅で要介護4以上の高齢者のショートステイ利用補助など、悪いことではありません。
「三世代同居」の定義については「現実をみて」ということのようで、微妙な感じです。同一敷地内で別棟、食事は一緒? また、気になったのは「三世代同居でない人は既存または今回拡充する福祉で対応」という部分です。
いっそうの負担増
いま、どこでも、「年金は削られ、負担ばかり増える」という声が聞かれます。
このうえ、既に報じられているように砺波地方介護保険組合では新年度から、介護保険料の基準額を現行の5,080円から5,780円に13.8%も引上げることを盛り込んだ第六期砺波地方介護保険事業計画(2015~2017年度)を2月24日の組合議会でとりまとめました。
また、砺波市国民健康保険運営協議会で、市当局が新年度国保税率の引き上げの検討を進める考えを示しました。
削ってきたサービス
市は「行政改革」の名のもとに、米寿のお祝いの廃止(「福祉金や米寿のお祝いなど、効果の薄い事業や高齢化の中で必要性が疑問視される事業について見直しを行うもの」2011年当時の市長答弁)や、福祉バスの廃止など、「公平性の観点」や「受益と負担の適正化」として、新年度でも先週お伝えしたように高齢者入浴施設等利用券について1回100円負担にするなど、さまざまなサービスを削ってきています。
そうしたなかで、「三世代同居についてはプラスアルファ」というのは、ちょっとズレているのではないでしょうか?
広く受けられるサービス拡充こそ
三世代同居であっても働けるうちは一所懸命働かざるをえないとか、諸事情によって三世代同居ができない人も多くいます。そうした実態を考えれば、市長の言うようにまずは「既存または拡充する福祉」をこそ充実すべきと考えます。
三世代同居で二歳まで育児したら、第一子10万円、第二子5万円を保育所や幼稚園入所補助として支給も有り難い話でしょうが、0歳児がなかなか入所出来ないなどの問題を先に解決できないものでしょうか? 勤務の関係で同居じゃない祖父母が若い人のところに毎日かよって孫をみているなどの例もあります。
いっぽうで、チューリップ公園北門更新などに2億円などの予算案が示され、「観光関係には熱心なのね」などの声も聞かれるところです。
高齢化社会のなか、「福祉にこそお金をかけることで、地域のなかでお金がまわり効果がある」という考え方もあります。市議会で議論になるでしょうか?(ならないよねぇ…)