1945年8月1日から2日未明に米軍のB29爆撃機174機が富山市上空に飛来し、富山市中心部を2時間にわたって空爆。当時の市街地の95.5%を焼失。推定3000人が死亡、約8000人が負傷するという空前の被害をこうむりました。
「富山大空襲を語り継ぐ会」は7月28日、富山市の富山県民会館で「富山大空襲74周年のつどい」を開催。参加者は戦争を風化させず、後世に語り継ぐ大切さを確かめ合いました。
つどいでは、富山県芸術文化協会参議・県歌人連盟顧問の久泉迪雄氏(92)が「動員額との空襲体験ー戦時体験風化への憂い」と題して講演。「憲法9条を守る歌人の会」の発起人、富山県の9条を守る会の役員であることも紹介し、再び戦争させない決意と合わせて、改憲許さぬ決意を語りました。
久泉氏は、戦争や空襲の状況、学校や軍需工場の体験、富山大空襲の生々しい地獄絵図などを描いた自らの日記も紹介しながら講演。富山市空襲の予告ビラなどを見て、8月1日に母と2人の弟を連れて行った疎開先の滑川市北加積から見た1日深夜の富山大空襲を「橙色・赤色・黄色・黒色、そんな色が混じりあった大火炎柱が天に沖するのを見る」と記したと語りました。そして、「あの戦争を繰り返してはならぬ。憲法の精神を今一度据えねばならぬ」と再三強調しました。
討論や質問の中で、7歳の時に、富山市で空襲を体験した徳永幸子さん(81)は「富山大空襲を紙芝居で描き、神戸で7年前からこどもたちやお年寄りに語っている」ことを紹介。若い参加者は「戦争体験をリアルに理解できるようツアーなどを計画してほしい」と語っていました。