「北陸線・ローカル線の存続と公共交通をよくする富山の会」(公共交通をよくする富山の会)は1月24日、富山県とJR西日本に対して、「JR西日本とあいの風とやま鉄道との乗り継ぎ割引廃止に関する」見解と提案を提出。割引廃止を取りやめるよう申し入れました。
JR西日本は、あいの風とやま鉄道の開業から5年を経る中で、開業当初から激変緩和措置として行ってきた乗り継ぎ運賃の割引の廃止を告知。「あいの風」が2020年の運賃改定は行わないとしてただけに、住民や利用者に大きな衝撃を与えています。
「公共交通をよくする会」は見解と提案で、乗り継ぎ割引は経営分離にともなって初乗り運賃が2重にかかるという割高運賃から、利用者を守る目的で取られた措置と指摘。今回の廃止は、並行在来線をJR経営から分離するという国の運輸政策の欠陥であり、JR西日本の社会的責任が問われると述べています。
その上で、この5年間の乗り継ぎ割引についての検証がないままの廃止は、到底県民の合意を得られるものではないと強調。県民に支えられる鉄道となるためにも、乗り継ぎ割引を継続し、運賃のシームレス化を目指すことを提案しています。
具体的には、富山県が問題を共有する新潟県、長野県、石川県と共同して、JR各社に働きかけるイニシアチブを発揮することなどを提案。「地域との共生」を掲げるJR西日本の社会的責任としても、乗り継ぎ割引の継続が重要だと強調しています。そのうえで、将来的には地域的な一定範囲内の参加事業者による連合体をつくり、各鉄道などを乗り継いでも一定の運賃にする「ゾーン制運賃」の導入なども提言しています。