昭和4年(1929年)から、富山市の大沢野地域で広がった小作争議について、当時の体験者から聞きとった証言をまとめた本「むかしあったこと 大沢野村小作争議」が7月、富山市細入村在住の佐田保さんによって発行されました。文章は、長年、治安維持法同盟犠牲者国家賠償要求同盟県本部の事務局長として奮闘され、証言を直接聞き取った小森修さん(昨年12月逝去)。挿絵は日本宗教者平和協議会の阿部行道さん。
同書では、1931年に大沢野村(当時)に嫁いだ山下そとさん(1913年生まれ)から聞き取った大沢野村での争議の様子を富山弁を交えて描いたもの。大沢野村では、1911年から行われた開墾事業をめぐって、地主や支配人が入植の際の契約を破って年貢米を引き上げようとしたことに反対して、小作農民らが農民組合を結成してたたかいました。
その中には、権力側が電力会社や暴力団などと結託し、カネや暴力で運動を破壊しようとする様子や、弾圧に対して屈せずに団結してたたかい、調停によって農民たちの要求を実現させた様子をそとさんの夫の山下尚一さんが語っています。
同書は佐田さんの手作り。希望する人に安価で分けたいと話しています。佐田さんの連絡先は、富山市楡原380‐33、電話076‐485‐9103。