南砺市教育委員会は4月9日、旧福光町と旧城端町にまたがる立野原に残る2つの監的壕(かんてきごう)を市文化財(史跡)に指定しました。
立野原には戦前、陸軍演習場が設置され、砲兵の実弾射撃訓練が行われていました。今回史跡に指定された丸山監的壕(旧城端町)と目玉監的壕(旧福光町)は砲弾の着弾地の近くに置かれ、兵士が中に入って砲弾の的中率、性能効果などを確認していました。
今回の文化財指定は南砺市となって初めてで、昭和期の「戦跡」の文化財指定は県内でも初めてのものです。
監的壕の文化財指定にむけては、2010年6月議会で市が「南砺市平和都市宣言」したのを受けて、市平和委員会が史跡指定の要望書を提出。日本共産党の中島満市議が議会の一般質問や予算要求のなかで指定を求めてきました。
また、監的壕だけでの文化財指定が難しければ市中央図書館に保存されていた「旧東太美村役場陸軍関係文書」とセットで指定してはどうか、との識者の意見も聞き、戦跡にくわしい年金者組合高岡支部の識者らの協力を得て関係文書を調査してきました。
立野原演習場は、戦後も地元選出衆院議員や知事、県西部の首長、経済団体によって警察予備隊(自衛隊の前身)の演習場誘致の運動が起こされ、地元住民が立野原演習地反対期成同盟会を結成して、反対運動を展開するというたたかいの歴史をもっています。
中島市議は、「安倍政権がすすめる戦争する国づくりのなかで、平和を希求するシンボルとして監的壕を残していくことが大切」と話しています。