【3月町議会報告】
脇町政で国・県の補助金は減ったか-「減ってはいない」(町長)
昨年の12月議会の質問で、ある議員が、今の町長のもとでは、国や県からの補助金や地方交付税がうまくこないのではないか、といった内容の質問をしました。
町民の選んだ町長が、どこの政党に所属するかなどで、国や県の補助金や交付金が左右されるのでしょうか。
一般質問で日本共産党の稲村功議員は「脇町長になって、国や県からの補助金が減ったかどうか数字で示してもらいたい。町民から選ばれた町長に対して、国や県が、それを否定するようなことは決してしないと思うがどうか」と質しました。
町長は「平成22年度から4年間の町の財源確保の状況をみると、地方交付税は年々増加する傾向で推移している。また、下水道事業でも、町の要望に応じて補助金も増額傾向にある。さらに、今年度の重点事業である旧五箇庄小学校跡地の施設整備事業に対して、要望どおり予算は確保された。この4年間、各種事業を展開するために町が要望してきた全ての財源が確保され、支障はなかったと考えている」と答えました。
4年間、何を重点に取組んだか-「子育て支援と防災対策を強化」(町長)
水間議員は、この4年間の町の重点施策について質しました。
脇町長は「中学生までの医療費助成を拡大してきた。また、放課後や夏休みなどに、子どもたちが安全に過ごせるよう町内で初めての学童保育を実施した。また、自治振興会の協力で『子どもの居場所づくり事業』にも取り組んできた」と答弁。
また、町長は「安心・安全の町づくりのために、地域防災計画を全面的に見直し、マニュアルも整備した。ラジオ付き個別受信機を全町的に導入し、携帯電話への緊
急通報メールの運用を実施した。また、地域防災力向上を推進するために、主要交差点の電柱や避難場所に海抜等表示板を設置した。沿岸域では津波避難経路の整備を行い、津波ハザードマップの全戸配布も行った。さらには、自主防災組織への補助や食料、大型炊き出し器、備品の整備等にも取り組んだ」と答えました。
消費税増税は くらし・地域経済を直撃 またもや大企業減税の穴埋めに
日本共産党の代表質問で水間秀雄議員は「4月から消費税が5%から8%に引き上げられ、8兆円という史上最大の増税が国民に押しつけられる」と述べ、70~74歳の医療費負担が2倍になることや年金支給額の削減などで、「町民の健康と生活が脅かされている。アベノミクスで大企業と大株主が豊かになった。トヨタ自動車は2兆4千億円の利益を見込んでいるが、中小企業や中小業者の倒産や廃業が増えている。ところが政府は、法人税率を10%引き下げ約5兆円の減税を進めようとしている。消費税増税は、大企業減税の穴埋めに使われる」と指摘しました。
水間議員は「これでは格差が広がるばかりだ。消費税に頼らない財政再建の道を追及すべきだ」と訴えています。
減反補助金削減で戸惑いと怒り
政府は、減反政策を見直し、5年後に減反補助金を廃止するとして、今年から半減させます。
稲村議員は「急激な米政策の転換に、農業関係者から戸惑いと怒りの声が聞かれる。詳細な内容についての方針は示されたのか。町はどう対応するのか」と質しました。
小川農林水産課長は「国は飼料用米の生産を促すため、収穫量に応じて10アールあたり、最大10万5千円を交付するとしている。水田のフル活用で食料自給率の向上を図ろうというものだ。しかし、飼料用米は、保管場所や販売ルート、需要動向など課題は多くある。県では、多収性品種の種子の入手、栽培方法の知見などに課題があるとして、今後条件を整備した上で栽培について判断するとしている。町では、備蓄米や加工用米を中心に取り組んでいきたい」と答えました。
新年度の重点政策は-「休日保育や保育料の軽減」(町長)
水間秀雄議員は、町が新年度に計画している重点政策について、町長、担当課長に質しました。
脇町長は「新年度から休日保育を実施したい。また、保育料を引き下げ、保護者の経済的負担の軽減を図る」と述べました。
さらに町長は、身近な生活の安全に「JR泊駅駐輪場や越中宮崎駅前に防犯カメラを設置する。高齢者に対する『運転免許証自主返納支援制度』を設け、子どもやお年寄りを対象とした交通安全教室や交通指導員の確保、信号機の設置を要望したい」と述べました。
「成人の肺炎球菌ワクチン接種に助成」(健康課長)
清水健康課長は「町民が、心身ともに健やかで暮らせるようにすることは町政の基本」と述べ「以前までの特定健康診査やがん検診、人間ドックの助成などに加え、要介護状態の悪化防止を目的とした『在宅要介護高齢者口腔ケア事業』を実施している。平成24年度には、胃がん検診に内視鏡検査を追加した。平成25年度には、がん対策を進めるため、ピロリ菌感染と萎縮性胃炎の有無を検査し、『胃がんリスク判定検査』も実施している。また、6年生までのインフルエンザワクチンにも助成してきた」とこれまでの取り組みを説明しました。
そして、健康課長は「新年度には、新たに高齢者の肺炎球菌ワクチンや大人の風疹ワクチン接種に対して助成をおこないたい」と答えました。
商工観光課長「企業立地や中小企業に支援」
大井商工観光課長は、「企業誘致を促進するための『企業立地促進基金』や、設備投資の資金を低利で貸し付ける『企業立地資金貸付制度』を設置した。中小事業者が融資を受ける際に保証料を補助する『中小企業融資信用保証料補助制度』も設けた。町内の企業に対して随時これらの支援制度を紹介し、今年1月末には、医薬品関係の新規企業が町内に設立された」と答えました。
また商工観光課長は「東京、大阪、名古屋などで開催されるセミナーに町長が先頭に立って参加し、企業訪問も精力的に行っている」と述べました。
中心市街地のにぎわい創出へ
商工観光課長は「新図書館と明治記念館が今年の秋に、本町五差路周辺複合施設は平成27年度春にオープンする予定だ。また、空き家や空き店舗を利用した『あさひまちなか起業支援事業』や、中心市街地において食材や物品、サービスを提供する『まちなかマルシェ社会実験事業』を実施したい」と答えました。
新幹線開業に向けヒスイ海岸周辺整備
商工観光課長は「北陸新幹線の開業を見据えて『ヒスイ海岸周辺整備基本構想』を策定する。並行在来線では、運行便数の増便や始発着列車の延伸、運賃値上げ抑制、JRや他の鉄道会社との乗り継ぎしやすいダイヤ設定、乗り継割り引きなどを要望していく」と答えました。
パイプハウスの設置に助成
小川農林水産課長は「国や県の補助事業を活用し、機械の導入やアスパラガスやストックの花のパイプハウス設置に助成を行うなど、生産者を支援する。町の農林水産物を活かした特産品の開発・改良に助成する『朝日町地域特産物開発・振興事業』に取り組む。また、ヒラメ稚魚の放流やタラ汁、サザエご飯を学校給食に提供している」と答弁。
アグリネットASAHI/富山県農業法人会朝日/あさひ受託者協議会/朝日農業機械士会
JAみな穂の農業公社へ加入を要望-「調査・研究をしたい」(農林水産課長)
あさひ受託者協議会、アグリネットASAHI、朝日町農業機械土会、富山県農業法人会朝日の4農業団体が、2月に町当局と今後の町農業について懇談しました。
そのなかで4団体から「活力ある地域農業の再生に係わる要望書」が提出されました。
稲村功議員は、このことに触れ「JAみな穂の農業公社に加入することなどを検討してはどうか」と質しました。
農林水産課長は「町単独の公社設立は、具体的な内容や採算性などで見極めるべき課題が多い。
また、JAの公社には入善町も出資しており、相手のある話である。すぐに加入する、加入しないということには言及できない。農業者、農協、両町にとって有益なことであれば、関係機関と協議しながら調査、研究していきたい」と答えました。
耕作放棄地の有効活用を
稲村議員は「町の休耕田や耕作放棄地を、薬草栽培に活用してはどうか」と質問しました。
産業課長は「現在、県では漢方薬を安定的に確保するため、産地化に向けた取り組みを行っている。朝日町においては行われていないが、山地の形成が進めば、耕作放棄地の活用や中山間地域の活性化が促進され、当町においても有効な農地活用につながるものと考えている」と答えました。
学童保育のあり方の検討を
制度の改正で、来年度から学童保育の対象児童は、今までのおおむね小学3年生までが6年生までに広げられます。
稲村議員は「こうした制度改正を視野に入れ、学童保育は、学校施設以外で実施することも検討すべきだ」と質しました。
中島住民・子ども課長は「学童保育は、放課後や夏休みなどの長期休業日などに、家庭にかわる生活の場を確保し、適切な遊びや指導を行うことにより、保護者の子育てと仕事の両立を支援することを目的としている」と述べ、「今年の冬休みから開設した『あさひ野っ子放課後児童クラブ』は、あさひ野小学校の施設を利用して実施している」と答えました。
オバマ大統領と安倍首相との共同声明の発表が1日遅れた。TPPの交渉で日米との隔たりが大きいからだ。アメリカは、米の輸入拡大や牛肉などの関税をゼロに近づけるよう求めている。日本の農業を壊しかねないTPP交渉からは、すぐに撤退すべきだ。
「朝日民報」第1号 2014年4月発行