富山県議会の「慰安婦問題に関する適切な対応を求める意見書」の採択を求める動きに対して、県内の9団体が3月11日、高平公嗣議長に、同意見書を議会が採択しないよう申し入れました。申し入れ書には、子どもと教科書ネット21富山、自由法曹団県支部、県平和運動センター、県労働組合総連合、新日本婦人の会県本部などが名前を連ねています。
同意見書は、自民党が提案したもの。朝日新聞の慰安婦問題での誤報が発端となり「多くの国益を失」ったとして、「正しい歴史認識が形成されるよう」に、政府に対応を求めています。
申し入れに参加した子どもと教科書ネット21富山の松浦晴芳世話人代表らは、「この意見書の趣旨は全く不適切」だと指摘しました。朝日新聞が記事を取り消すことになった吉田清治氏の証言の真偽に関わらず、日本軍の関与のもとに強制連行された「慰安婦」が存在したことは他の歴史資料や証言により、明白な事実であることなどを説明。「日本が過去の侵略戦争と植民地支配という加害の事実に向き合い、被害者の名誉や尊厳を回復することこそが、近隣諸国の信頼を得ることになるし、平和につながる」とのべました。
応対した高平議長は、「ご意見があったことは、(自民党に)伝えておく」とのべました。日本共産党のひづめ弘子県議と、社民党の田尻繁議員が同席しました。
意見書は16日の最終本会議で強行可決されました。
これを受けて、9団体と新婦人県本部がそれぞれ、抗議声明を発表しました。