富山市議会自民党会派の政務活動費不正問題で、「市民が主人公の富山市政をつくる会(「市民の会」)」が森雅志富山市長に対して、自民会派が不正に取得した政活費の返還請求を行うよう求めた住民訴訟裁判の口頭弁論が16日、富山地方裁判所で行われました。
この訴訟では2012年度の自民会派・五本幸正市議の約31万円の政活費と高見隆夫市議の約94万円の政活費について時効となるかどうかが争点に。原告の「市民の会」側は民法にもとづいて時効を10年と主張。被告の市長側は地方自治法を根拠に時効5年を主張し、「市民の会」が2018年、違法支出として提訴した自民会派4市議の政活費12件中5件は返還請求権が消滅していると主張していました。
富山地裁は時効は10年で、時効は成立していないとする見解を示しました。これを受けて五本、高見両市議の12年度分の政活費、計約125万円の返還について、この日の弁論では補助参加人の自民党は「会派として対応を協議する」と述べました。
裁判後の記者会見で「市民の会」の高野善久代表委員は「自民は政活費の不正の中身を明らかにせず、金を返せばいいという態度。市長も違法不正に使った市民の税金を取り返そうという怒りがない。時効だからいいですという態度は許せない」と語っていました。
この問題をめぐっては18日、富山検察審査会が3月の富山地検による不起訴判決に対して「不起訴不当」を議決しました。