10月8日告示の県知事選挙をめぐって、政策討論会が行われました。主催は、県内に拠点を持つ新聞社や通信社、テレビ・ラジオ局の代表でつくる県報道責任者会。現職の石井隆一氏(74)、新人で元日本海ガス社長の新田八郎氏(62)と、「いのち支え合う県民の会」が擁立するかわぶち映子氏(71)の3人が参加。今回は新型コロナウイルス感染症対策として、一般への公開は中止。テレビや新聞などでの報道のみとなりました。
テーマは、「新型コロナへの対応」「人口減少対策」「知事の姿勢や役割」。趣味などについての質問も行われました。
討論を通じて、石井氏と新田氏には、実績を強調する「官僚型」か、経済成長を最優先する「経営者型」かの違いはあっても、経済成長にどう役立つか、という従来型の自民党県政の枠からははみ出さない姿が浮き彫りに。一方でかわぶち氏が、県民の暮らしに寄り添う県政を目指す姿勢が明らかになりました。
人口減少対策でも、違いはクッキリ。かわぶち氏は、18歳までの子ども医療費無料の拡充や返済不要の奨学金の拡充、保育所や学童保育所の充実を掲げました。同時に、不登校や引きこもりに悩む子どもと親に寄り添う政策を国に求めながら、「子どもの権利条例」の制定をめざすと語りました。一方、石井氏、新田氏とも、出生率などの数値目標を掲げる一方、具体的な政策としては、企業誘致や家事代行サービスへの助成など、経済対策が軸となっています。
新型コロナ対策では、3人ともPCR検査拡充が必要という点では一致。かわぶち氏は、命と県民の暮らしを最優先に、人間のケアをする仕事を大事にして、優先的に予算を付けたいと表明。地元の中小企業や農林水産業支援が優先だと語りました。一方で、「ウイズコロナ」の社会では、石井氏がサテライトオフィスの誘致を掲げ、新田氏が新しいベンチャーが生まれる環境整備など、ビジネスに生かす話が中心でした。
知事の役割や姿勢についてもかわぶち氏は、「住民の福祉の増進を図るのが大事」と指摘。農林水産業や地場産業、医療、教育などに予算が届く県政をめざすと語り、原発や戦争に反対する姿勢を国に伝えることも重要だと語りました。