県都・富山市(人口41万人)の市議選が4月11日告示、18日投票で行われます。日本共産党は、赤星ゆかり(56)=現=、吉田おさむ(70)=元=、かじ政見(58)=新=の3氏が現有2議席から3議席を目指します。
3議席になれば、代表質問権を獲得し、質問時間も増えます。議会運営委員会にも正式会派として参加でき、市民の願いを実現する政治への確かな力になります。
市議選の定数は38。6日の候補者説明会には54人が参加し、多数激戦の様相です。
コロナ危機に無為無策、自己責任押し付けの菅義偉政権に対する批判は富山市でも渦巻き、国政でも市政でも「政治を変える」日本共産党の議席増に期待が寄せられています。
市内では病院や介護施設でコロナ感染症のクラスター(感染者集団)が相次ぎ、16日現在の陽性者は624人に。市の対策はクラスターが発生した施設でのPCR検査に留まり、感染予防のために必要な検査を大規模に行う体制に踏み込んでいません。
党市議団は昨年4月、PCR検査や医療体制の拡充、介護事業所への支援、特別定額給付金の早期給付など16項目を市長に申し入れ。同年5月の臨時議会では、本会議で質問したのは党市議団の2人だけ。市内のPCR検査数を初めて明らかにさせました。極端に申請が少なかった国保料の減免制度の周知を徹底させるなど、改善につながりました。
市議団は市民と力を合わせ、中学3年までの医療費無料化や小・中学校普通教室へのエアコン設置、学校や公衆トイレの改修、精神障害者の医療費助成などを実現させてきました。
2016年に発覚し、計14人が辞職した政務活動費不正問題でも、市民と連携して不正追及の先頭に立ち、政治倫理条例の制定や委員会のネット中継導入など、議会改革を求めてきました。
森雅志市長は、国いいなりで新自由主義的な政策を進め、中心市街地に特化した再開発やマンション企業に莫大な税金を投入。地方の公共交通拡充には背を向け、「子どもの医療費は親が払うのが当たり前」などとして、市民に自己責任を押し付けてきました。市の予算(18年)に占める感染防止対策など衛生費の割合は全国60の中核市のうち58位、暮らしや福祉対策は53位と、市民生活に冷淡な姿勢が表れています。
議会の過半数を占める自公会派はこの4年間、森市政の予算・決算にすべて賛成。「消費税の引き下げ」や「核兵器禁止条約への参加」を求める請願・意見書などには反対してきました。政務活動費の不正受給問題の全容解明にも後ろ向きで、有罪判決を受けた元自民党市議が無所属で立候補する予定です。
党が実施した市政アンケートには700超の回答があり、不正の徹底解明や地方公共交通の整備、PCR検査拡充などを求める声が上がっています。
党は同日実施される市長選と一体に、暮らしと地域を応援する市政への転換を強調。市の積立金79億円(財政調整基金)を活用し、医療機関・介護施設への財政支援や保健所の強化、市独自のPCR検査拡充、家賃補助の追加実施、国保料の負担軽減、学校給食費の無償化、公営バスの運行拡充などを求めています。
高橋渡選挙対策本部長は、「議会改革を進め、住民の暮らしを守る砦となる党の議席増を何としても勝ち取り、富山から政治の流れを変え、総選挙での党の躍進と野党共闘の勝利にもつなげていきたい」。