平和・民主・革新の日本をめざす富山の会(富山県革新懇)と富山市革新懇は18日、富山市内でオンライン講演会を開催。「徹底追及・旧統一協会問題―霊感商法などの被害の実態、政治家との癒着について」と題して、旧統一協会問題などで、30年以上にわたって全国霊感商法対策弁護士連絡会などで活動してきた紀藤正樹弁護士が講演しました。オンラインも含めて、約120人が参加しました。
主催者を代表して、新日本婦人の会富山県本部の広瀬妙子会長があいさつ。2015年の安保法制強行以降広がってきた市民と野党の共闘でも革新懇が大きな役割を果たしてきたことを強調。安倍元首相の銃撃事件を契機に、旧統一協会問題や安倍「国葬」問題が政治の焦点に浮かび上がってきたとして、引き続き県内で政治を変えるために力を尽くすと述べました。
1990年から霊感商法問題に関わってきた紀藤弁護士は、安倍元首相銃撃事件をカルト宗教の2世信者問題だとすれば、30年近くにわたって放置してきた政治の責任が問われると強調。フランスなどでは、同時期にカルト宗教の問題が社会問題化したときに、政治や行政が速やかに原因究明や対策に乗り出したことに対して、日本では行政の理解が進まなかったと、自らの体験も含めて語りました。
また、対策連絡会がまとめた資料も紹介しながら、弁護団に相談があったものだけでも21年までに3万件、1237億円に上る被害がいまだに出ていると指摘。被害の実相がその20~30倍にものぼると言われる中で、日本の人口の2~3%が被害に関わっていると述べ、これまでに宗教法人の解散を申し立てるべきだったのに行わなかった行政の怠慢を批判しました。そのうえで紀藤弁護士は、旧統一協会はダミー団体も使って伝道を行い、被害を広げているという特異性を持つと指摘。全ての省庁がこの問題に関わるなど、行政全体での対応が必要だと語りました。
日本共産党のひづめ弘子県議が県内の政治と旧統一協会の関係について特別報告。全国の知事で唯一、対策連絡会から申し入れがあったように、断絶できない関係の深さがあると強調。その影響で県内で、パートナーシップ条例制定に反対する運動を組織するなど、政治に影響を及ぼしていたことも明らかにしました。一方で、南砺市議会で協会との関係の検証を求める動きや、小矢部市議会で、協会から出された意見書を否決するなど、問題を明らかにする動きがあることも紹介。引き続き検証をすすめ政治との癒着問題を質すために全力をあげると述べました。