まだナンバー通知が届いていないためか、市には「ほとんど問合せがない」とのことですが、「カードを作って、持ち歩かないとダメなんでしょ?」、「カードが無いと役所で手続き出来ない?」、「事業所として働く人のマイナンバーを管理しないといけないの?」等の声がきかれ、「マイナンバー制度」にたいする不安や疑問が高まっています。
「全国商工新聞」(10月19日付)で税理士の浦野広明氏が「現段階でどういう対応をすべきか」として上表6項目をあげています。
第一は「『個人番号(マイナンバー)カード』の交付を申請せず、あらゆる情報の鍵は渡さない」ことです。実際、市ではマイナンバーカードの提示が必要になる手続きは「ほとんど無い」とのことですから、あわてる必要はありません。
「住民サービス向上」に惑わされぬよう
「希望者に」来年1月以降交付される「マイナンバーカード」について総務省の懇談会で、クレジットカード機能を持たせたり、スマートフォンでも利用可能としたりすることなどを検討、成長戦略に反映、NHK受信料もマイナンバーで…等、とんでもないことです。
身近なところでは、コンビニの自動交付機で住民票発行とか、図書館の貸出カードとか、カードに様々な機能をもたせることで「住民サービスの向上」の名目で、カードを持たせようとするねらいです。
コンビニの自動交付機は初期費用や運用コストが大きく、砺波市は費用面から見送ってきています。砺波市の新図書館の貸出カードがマイナンバーカードというのはどうでしょう?
日本の個人番号は、多くの情報がつながる仕組みであり、自治体が条例をつくれば何でも使え、個人番号流出の危険はきわめて大きいものです。諸外国では、利用範囲が限定されています(下表)。
憲法にも地方自治法にも反する
浦野氏は「憲法は個人の尊重・幸福追求権を保障(13条)。地方公共団体は統治の仕組みを住民の意思によって決め、住民の福祉の増進を図ることを基本としている(憲法92条・地方自治法1条2)。行政がすべての国民の個人情報を入手して国民を管理・監視することは憲法にも地方自治法にも反している、と指摘しています。問題だらけの制度は実施延期、廃止すべきです。